株式会社東芝 東芝キヤリア株式会社 インタビューその2|人材育成で工夫した2つのこととは?

GOOD FACTORY賞受賞企業の株式会社東芝 東芝キヤリア株式会社 
富士工場長 奥田正幸さん

富士生産企画部 部長 堀部晋司さん
富士製造部 部長 奥田正人さん
列車空調統括部 副統括部長 藤森徹さん
富士生産企画部 富士IE推進担当 グループ長 篠原隆さん
にお話を伺いました。日本能率協会の小宮太郎がインタビューします。
(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)

人材育成で工夫した2つのこととは?

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小宮
他に何か苦労や気づきがありましたら、教えてください。

堀部
私は2年ほど、(株)東芝の本社へ出向していました。

当社は(株)東芝が60%の株式を持つ東芝キヤリア(株)という東芝グループの会社なのですが、東芝本社から見ると事業規模が小さくてあまり目立っていません。
東芝の拠点は全部で150から200あります。
その中でどう存在感を出していくかというと、元気があるものづくりを進めなければなりません。

2011年頃、東芝キヤリアの中で、富士工場で生産しても国際競争力がないからといって、海外に出ていき、拠点を置くという話が浮上したことがありました。
為替の問題も影響していましたね。

そのときに、このままでは富士工場の事業規模がどんどん小さくなってしまうという危機感を感じたのです。

富士工場の人間として、ものづくりをちゃんとやってきているのに、社内外から評価されている実感が持てないことが残念でなりませんでした。そこでやはり目立たなければいけないと思い、目をつけたのが、今回賞をいただいた人材育成です。

これまでとは違うことをしてやろうという気持ちもあり、人材育成で新しい仕組みを作り、人を育てて海外に展開することにしたのです。

小宮
ありがとうございます、何か他にありますか。

奥田部長
先週、たまたま東芝キヤリアのOB会がありました。
そこで多くのOBから「GOOD FACTORY賞おめでとう」と声をかけられました。

今回、我々の色々な取り組みを評価していただいたわけですが、これらの取り組みを紐解くと、
過去に先輩方が作ってきたことがベースになっています。
言葉を換えれば、過去の先輩方の努力を今風にアレンジしたわけです。
我々も大変苦労しましたが、ベースを築いてくれた先輩方が一緒に喜んでくれたのが、何よりも嬉しかったです。

当社はIE(インダストリアル・エンジニアリング)を基軸にして進めていこうという方針を立てていました。

東芝としてはTP活動をやっていましたが、直接現場で働いている人には、なかなか浸透しません。
今まで勘と度胸でやってきた人に、なぜそういうふうに数字で捉えてやっていかないといけないかを指導するのが大変でした。やはり、苦労したところといえば、ここになりますね。

カイレン(「改善」と「連鎖する風土づくり」から命名された教育体系で、改善が連鎖することを意味する)道場で、インストラクターを作る、中核となる人材を育てるだけでなく、全員が参加し、何をしようとしているのか分かってもらおうということで、導入教育を始めました。

計画としては導入部分からスタートするつもりはなかったのですが、なかなか理解が進まなかったので、
導入部部分から始めることになったのです。
そして頭で学ぶだけでなく、体感させて人を育ててきました。

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